「MIDIケーブル?USBケーブル?どれを使えばいいの?」 DTMや電子楽器を接続するとき、意外と混乱しやすいのがこの部分です。
この記事では、3つの接続方法(MIDIケーブル/USB/Bluetooth)の違いをわかりやすく図で解説。 あなたの環境に合った“最適なつなぎ方”が見つかります。
MIDIケーブル接続(DIN端子)の特徴とつなぎ方
もっとも伝統的な方式が5ピンDINケーブルを使った接続。 1980年代から現在まで続く標準規格です。

- MIDI IN: 外部から信号を受け取る
- MIDI OUT: 自分から信号を送る
- MIDI THRU: 受け取った信号をそのまま次へ送る
シンセ同士をつなぐ場合は、 MIDI OUT → MIDI IN
の方向でケーブルを挿します。
ポイント: THRU端子を使うと、複数台を「デイジーチェーン(数珠つなぎ)」にできます。
ただし遅延(レイテンシ)が増えるため、3台以上は非推奨。
USB-MIDI接続:現代DTMの主流
最近のキーボードやシンセサイザーは、ほとんどがUSB端子1本でMIDI通信が可能です。 この方式を「USB-MIDI」と呼びます。

PCに直接接続できるため、MIDIインターフェイスが不要。 DTMでは最も簡単で安定した接続方法です。
メリット | デメリット |
---|---|
ケーブル1本で通信可能 | 長距離(3m以上)は信号が不安定になる |
電源供給も兼ねる(バスパワー) | 一部機材はドライバが必要 |
複数ポート対応のDAWで設定が容易 | USB端子が足りなくなる場合も |
USBハブを使うときは、セルフパワー式(電源付き)を選びましょう。
Bluetooth MIDI接続:ワイヤレスの新しい選択肢
最近では、ケーブルを使わずにBluetooth MIDIで接続できる機材も増えています。 無線ながらレイテンシが少なく、ステージでも便利です。

メリット | デメリット |
---|---|
ケーブル不要でスッキリ | 有線よりレイテンシあり |
iPad/iPhoneでも簡単接続 | 接続設定に時間がかかることも |
ステージで配線トラブルを防げる | 電波干渉に弱い環境もある |
代表的なアダプタ例:YAMAHA MD-BT01、Roland WM-1
MIDI IN / OUT / THRUの役割まとめ
端子名 | 役割 | 接続先 |
---|---|---|
MIDI IN | 外部から信号を受け取る | 相手のMIDI OUT |
MIDI OUT | 信号を送る | 相手のMIDI IN |
MIDI THRU | 信号を中継する | さらに次の機材へ |
トラブルシューティング
- 音が鳴らない → 接続方向(IN/OUT)を逆にしていないか確認
- 遅延がある → USBケーブルやBluetoothよりもDIN接続を優先
- 認識しない → ドライバのインストール/電源ON順を確認
MIDIデータは軽量なので、信号の途切れは配線不備が原因のことが多いです。
おすすめMIDIインターフェイス
Roland UM-ONE mk2(定番USB-MIDIインターフェイス)
YAMAHA MD-BT01(Bluetooth MIDIアダプタ)
まとめ:目的に合った接続を選ぼう
・レコーディング用なら:USB-MIDI
・ライブで複数機材を連携させるなら:DINケーブル
・モバイルやステージの簡易環境なら:Bluetooth MIDI
どの方法でも、「信号の流れ(IN→OUT)」を意識すれば迷いません。
次回は、MIDIチャンネルとトラックの関係で、 複数楽器を同時に制御する仕組みを解説します。