打ち込み作業をしていて「思ったより時間がかかる」「ノートがずれてる」 そんな経験はありませんか?
実は、MIDIエディターを正しく使いこなすだけで、 作業スピードと精度が大きく変わります。
この記事では、主要DAWで共通する操作の基本と、効率化の裏技を紹介します。
MIDIエディターとは?
MIDIエディターは、MIDIノート(音の長さ・高さ・強さ)を視覚的に編集する画面です。 ピアノロール形式で表示されることが多く、作曲・編曲の中核ツールといえます。

MIDIエディターでできること:
- ノートの位置・長さ・音量(ベロシティ)の編集
- クオンタイズ(リズム補正)
- ヒューマナイズ(自然なズレの付与)
- CC(モジュレーション・エクスプレッション)調整
クオンタイズでリズムを整える
クオンタイズ(Quantize)とは、演奏データを指定した拍(グリッド)に揃える機能。 ずれたタイミングを自動補正することで、演奏を正確に整えます。

ポイント:
- 1/16や1/8など、リズムに合ったグリッドを選ぶ
- “強めのクオンタイズ”は打ち込み的、“弱め”は人間的
- ジャンルによって使い分ける(EDM=強、ジャズ=弱)
完璧に揃えるよりも、わずかなズレを残す方がグルーヴが生まれます。
ヒューマナイズで自然な演奏に
ヒューマナイズ(Humanize)は、ノートに微妙なズレやベロシティ差を自動的に加える機能。 人間の演奏に近づけたいときに使います。
- ノートタイミングを±10〜20ティックずらす
- ベロシティをランダムで±5〜10変化させる
- ジャンル別テンプレを保存しておくと便利

コツ: 全パートに同じズレを適用しない。ドラム・ベース・メロディをずらすと立体感が生まれます。
よく使うショートカット(共通)
操作 | Windows | Mac |
---|---|---|
ノートを伸ばす | Alt + ドラッグ | Option + ドラッグ |
クオンタイズ実行 | Q | Q |
コピー | Ctrl + D | Command + D |
ズームイン/アウト | Ctrl + マウスホイール | Command + トラックパッド |
全選択 | Ctrl + A | Command + A |
自分の作業頻度に合わせてショートカットをカスタマイズすると効率が倍増します。
DAW別の設定ポイント
Cubase
「キーエディター」上でノート編集が可能。クオンタイズ設定を「グルーブクオンタイズ」に変更するとリズムにノリが出ます。
Logic Pro
ピアノロール下部でベロシティ調整。 「スマートクオンタイズ」を使うと自然に整えられます。
Studio One
「MIDIエディター」でノートを選択→右クリック→ヒューマナイズ適用。 独自のグルーブテンプレート機能も便利。
おすすめプラグイン・ツール
ShaperBox 3(グルーヴ編集・タイミング調整に最適)
まとめ:エディターを制する者はDTMを制す
MIDIエディターは、DTMの心臓部。 ノートを「打つ」だけでなく、「演奏を描く」意識で操作することで、 作品の完成度が大きく変わります。
次回は、MIDIドラム打ち込み基礎とグルーヴ作りで、 リズム面からのアプローチを学びましょう。