「曲を作ってみたいけど、どんなコードを並べればいいの?」そんな人のために、この記事ではコード進行の仕組みと作り方を、図解イメージでわかりやすく解説します。名曲に共通するパターンを理解すれば、自分の感情を音で表現できるようになります。
コード進行とは? 音楽の“骨格”をつくるルール
「コード進行」とは、曲全体の流れを形づくる和音の並びのことです。メロディが“言葉”なら、コードは“文法”。順序の違いで、曲は明るくも切なくも変化します。
音楽理論では、この流れを機能和声で整理します。

- T(トニック):安定(家に帰ったような安心感)
- S(サブドミナント):変化・準備(玄関を開ける感覚)
- D(ドミナント):緊張・期待(外の世界へ踏み出す瞬間)
この3つをバランスよく組み合わせると、自然な流れと感情の起伏が生まれます。
名曲によくあるコード進行5選(Cメジャー例)
まずは、J-POP/洋楽でよく使われる代表的な進行を押さえましょう。
パターン | コード進行(Cメジャー) | 特徴 |
---|---|---|
I–V–vi–IV | C–G–Am–F | 王道ポップ進行。明るく爽やかで万人受け |
vi–IV–I–V | Am–F–C–G | 切なさと希望が同居する流れ |
IV–V–iii–vi | F–G–Em–Am | 柔らかくバラード向きの響き |
I–vi–IV–V | C–Am–F–G | 古典的で安定感のある進行 |
ii–V–I | Dm–G–C | ジャズ定番。おしゃれでスムーズな解決 |
関連記事で実例を分析しています:名曲で学ぶ音楽理論:ベートーヴェン『月光ソナタ』編
コード進行を作る3ステップ

- キー(調)を決める:例)Cメジャー、Aマイナーなど。曲の中心となるスケールを選びます。
- ダイアトニックコードを使う:メジャーなら「C・Dm・Em・F・G・Am・Bdim」。これらを組み合わせると自然な響きになります。詳しくは ダイアトニックコードを理解する を参照。
- 感情に合わせて流れを選ぶ:安定(T)→緊張(D)→解決(T)が基本。切なさならvi始まり、明るさならI始まりなど雰囲気で選びます。
コツ:「同じコードを2小節使う」「休符を作る」などリズムの変化を入れると印象が深まります。
曲に感情をのせる応用テクニック
- サビで転調:高揚感・クライマックス演出。→ 転調の仕組みと使い方
- 分数コードを加える:ベースラインがなめらかに。→ 分数コードって何?
- テンションコード(9th, 11th, 13th):深みと色気を追加。
MIDIでコード進行を試す(DTMユーザー向け)
DAW(Cubase / Studio One / Logicなど)のコードトラックを使えば、マウス操作だけで進行を作り耳で確認できます。テンポやリズムを変えるだけでも、同じ進行が全く違う表情になります。
おすすめツール:Scaler 3(Plugin Boutique)
Scaler 3 は、モード、分数コード、代理コード、テンションコード、MIDI出力機能などを統合した最新バージョンプラグインです。 コード進行の設計から表現の演出まで、一手で対応できるよう拡張されています。
なお、既に Scaler 2 を所有している方は、アップグレード割引 が提供されている場合がありますので、公式サイトをチェックしてみてください。
まとめ:コード進行を理解すれば「感情を設計できる」
音楽理論を学ぶことは、“偶然の良さ”を再現できる力を身につけること。感覚だけでなく意図を持って作曲・演奏できるようになります。今日紹介した進行を、あなたの曲で試してみてください。
次に読む: ダイアトニックコードを理解する / MIDIで学ぶコード進行入門 / 名曲で学ぶ音楽理論:ベートーヴェン『月光ソナタ』編