「メジャーとマイナーの間に、もっといろんな響きがあるのでは?」
そう感じたあなたに必要なのがモードスケール(Mode Scale)です。
この記事では、7つのモードの特徴・使い方・練習法をわかりやすく紹介します。
目次
モードスケールとは?
モードスケールとは、1つのスケールを別の音から始めた音階のことです。
つまり、同じCメジャースケール(C D E F G A B)でも、始まりの音を変えるだけでまったく違う雰囲気が生まれます。

7つのモード一覧と特徴

モード名 | 始まりの音 | 主な特徴 | 印象キーワード |
---|---|---|---|
アイオニアン(Ionian) | C | 長音階(メジャースケール) | 明るい・安定 |
ドリアン(Dorian) | D | ♭3・♭7を含む | クール・ジャズ感 |
フリジアン(Phrygian) | E | ♭2・♭3・♭6・♭7 | エキゾチック・緊張感 |
リディアン(Lydian) | F | ♯4を含む | 浮遊感・幻想的 |
ミクソリディアン(Mixolydian) | G | ♭7を含む | 明るいけど少し切ない |
エオリアン(Aeolian) | A | 自然的短音階 | 悲しみ・落ち着き |
ロクリアン(Locrian) | B | ♭2・♭3・♭5・♭6・♭7 | 不安定・神秘的 |
これらはすべて、Cメジャースケールの構成音(C D E F G A B)を使って作ることができます。
違うのは“始まり”と“終わり”の音。それだけで感情の方向が変わるのです。
7つのモードはCメジャースケールを起点に次の通り。
- Ionian(C)=メジャースケール
- Dorian(D)=自然短調+#6
- Phrygian(E)=自然短調+♭2
- Lydian(F)=メジャー+#4
- Mixolydian(G)=メジャー+♭7
- Aeolian(A)=ナチュラルマイナー
- Locrian(B)=短調+♭2+♭5
モードスケールを聴き分けてみよう
例えば、同じ7音でもこう聴こえます:
モード | 例のコード | 感情の方向 |
---|---|---|
アイオニアン | Cmaj7 | 明るく、ポップ |
ドリアン | Dm7 | ジャズ・都会的 |
フリジアン | Em7 | ダーク・神秘的 |
リディアン | Fmaj7 | 幻想的・映画音楽的 |
ミクソリディアン | G7 | グルーヴ感・ブルース寄り |
エオリアン | Am7 | 儚く・メランコリック |
ロクリアン | Bm7♭5 | 緊張・不安感 |
コード進行を変えずに「スケールを変える」だけで、曲の雰囲気が一変します。
ギター・ピアノでの練習方法
ギターの場合
- ポジションを固定して、1弦ずつ音を弾く
- 各モードを録音して、響きの違いを比較
- 「ドリアン=2番目」「リディアン=4番目」など、順番で覚える
ピアノの場合
- Cメジャースケールの白鍵だけを使用
- 始まりの音をD・E・F…と順に変える
- 1オクターブ上がったときの印象を耳で確認する

作曲・即興での応用法
- ドリアンモードでクールなバッキングを作る
- リディアンで幻想的なイントロを作る
- ミクソリディアンでファンクやブルースに活かす
モードを理解すると、「スケール=感情の地図」として使えるようになります。
これはジャズや映画音楽、現代J-POPでも欠かせない発想です。
モード別おすすめ練習トラック
モード | 練習トラック例 | 雰囲気 |
---|---|---|
ドリアン | A Dorian Backing Track(YouTube) | ジャズ・ロック風 |
リディアン | F Lydian Ambient Pad | 幻想的・浮遊感 |
ミクソリディアン | G Mixolydian Groove | グルーヴ重視 |
エオリアン | A Aeolian Ballad | 切ない・叙情的 |
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Scaler 3 は、モード、分数コード、代理コード、テンションコード、MIDI出力機能などを統合した最新バージョンプラグインです。 コード進行の設計から表現の演出まで、一手で対応できるよう拡張されています。
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まとめ:モードスケールは“感情のパレット”
モードスケールを使うと、曲の印象を自由自在にコントロールできます。
「明るい/暗い」だけではなく、“明るいけど哀しい” “暗いけど希望がある”といった複雑な感情も描けます。
スケール練習を「色を混ぜる感覚」で取り入れていくと、あなたの作曲がぐっと立体的になります。